就活は新卒一括採用が主流なため、タイミングを逃すと再チャレンジが難しいという風潮があります。そのため、一度失敗すると「取り返しがつかない」と自分の価値を否定されたように感じ、「人生終了」と思い詰めてしまうことがあります。
見えないところで自信は減り続け、就活の失敗や職場のいじめ等で働けなくなる場合もあります。
そんな時、親としてできることがあります。
1 就活に失敗した子供にできる親のサポートとは

共感と傾聴の姿勢を持つ
子どもが就活に失敗し落ち込んでいる際、親としてはまず子どもの話をよく聞き、共感することが大切です。
こうすれば良かったんじゃない?
もっと調べればよかったよね。
などの否定や批判は避け、
「よく頑張ったね」
といった言葉で子どもの気持ちを受け止めましょう。
準備の過程を【頑張った力】として認める

就活では、インターン応募から実際のインターン経験、グループ面接など、就活の過程は長く神経を使うことばかりです。
準備にも、相当な時間と労力を費やしています。
- 企業分析
- 履歴書の作成
- 面接準備など。
なので、結果ではなく、過程の努力に注目しましょう。準備した力を、子どもの話を聴きながら具体的にほめてみましょう。
難しいことが分からなくても、話を聴きながら
なるほど、
その通りだね!
よくやってきたね!
いい気づきだ!
などと、大きく相づちをうつだけでも、子どもは自信の柱が立っていきます。
親に説明している間に何か気づきも浮かぶかもしれません。
そして、改めて自分の力や頑張ったことを親から言ってもらうと、次に進む力になります。
2 就活失敗後の挽回策や進路
就活に失敗した理由と挽回策をサポート

- 希望した企業が大手だけだった
- 特定の業種だけだった
- 面接でうまく自分を出せなかった
- 単に運が無かった
など、いろんな理由が考えられます。
そんな背景も考えに入れて子供の話を聴くと、
できていないよね
という非難モードが出ずに、
あなたはよくやってる!
という、いい話し合いもできます。
就活はいろんな要因もあるので、子どもの責任ではないのです。
親が先に結論やこうしたら?などを言うよりも、子ども自ら振り返れるよう会話ができることがポイントです。
会話の中で、子供の小さな気づき、振り返り、反省などを、
「いい視点だ!」「なるほど!」と言ってあげるだけで十分素晴らしいのです。
それだけでも子どもは前に進めます。
時代は激変している
私たちの感覚で、この企業なら、この業種なら安泰ね、ということは全く通じない時代になりました。
大手だから安泰とも限りません。
周りの友人が華々しい企業に入れたとしても、それが一生安泰とは限らないのです。
そこで、どんな時も
【自分で気づき、調べる、人に聞く、という一歩や試行錯誤】が大いに効いてきます。
親としては、【子供の努力を認める】【なるほど、いい視点だ!とあいづちをうつ】
これが、親としてできる最高のことです。
そこで自信を入れた子供は、もう一回調べてみよう、人に聞いてみようと一歩が始まります。
視野を広げた業界・職種の検討

特定の業界や職種にこだわらず、幅広い選択肢を検討することも重要です。
就職エージェントやキャリアセンターに相談し、自分に合った職種や企業を見つける手助けを依頼するのも手です。
娘の転職時に話した担当者は、若くても人への対応力、褒め方、企業の提案力など素晴らしく、大変優秀でした。
担当者と話していく中でヒントや気づきを得ることもあるので、まずは話してみることをすすめてみましょう。
ただエージェントに提案された企業や職種に、自分がピンとくるものがあるとは限りません。
希望の職種、業種が分からなくても全く問題ないのです。
何かピンと来ない、と思ったとしても、実際にご縁があったところに入ってみて、自分の適性がわかったりするので、
あくまで道を探す過程だよ
と伝えれば、子どもの気持ちも楽になります。
3 我が家の事例
就活に出遅れた娘

今20代の娘は大学卒業後、短期留学予定だったのにコロナで大学側が急にキャンセルになり、就活のタイミングに出遅れました。
ご縁のあった会社に就職しましたが、お局の壮絶ないじめなど、つくづくついていない試練が続きました。
しかし、転職の都度、やれたこと、どんなスキルを得たのか、自分に向いている職種、業界とは?と自分と向き合う時間になり、棚卸ができました。
仕事で得たことを財産に変える

試練が続き、やむを得ない転職でしたが、履歴書を作成する中で自己分析を繰り返しました。
過去の仕事で得たことをしっかり振り返ることで、これだけのスキルが身に付いた、と自分に自信の杭を立てることができます。
子供が自分だけで自己分析をやると成果を感じにくいのですが、親が今までの成果を見て大いに感心することで、しっかり自信の柱を立てることができます。
娘の履歴書を見て、こんなに仕事をしてきたのかと驚きました。
時間の概念がないとか、のんびり屋で大丈夫だろうかなど心配だった娘の成長を、履歴書から改めて分かったのです。たとえば、
- カスタマー対応
- 多くのプロジェクトを同時並行して処理する力
- 緻密に迅速に処理する事務処理能力
- プレゼン力
- チラシ作成、動画編集で会社紹介
- 展示会対応など
挙げだしたら沢山出てくることに、娘も改めて自分は頑張ったと、自信をもつことができました。
そしてそれをエージェント担当者と話すことで、また自分の強みの出し方を学べました。
親は、その過程で気づきをほめ、「素晴らしい力ね」、「こんな力がついた」、「よく乗り越えた」、といくらでも力を伝えることができます。
子どもが就活失敗を乗り越えるために親ができること
長期的な視点での見守り

就活は人生の一部であり、失敗しても人生が終わるわけではありません。
たとえ第一希望でない会社に入っても、ご縁のあった仕事には意味があります。
自分がやりたいこと、ベストな仕事はすぐには見つかりません。
今は夢探し、途中だから試行錯誤があたりまえ、大丈夫と伝えましょう。
ご縁のあったところでしっかり自分のスキルを磨き、それを武器に次のキャリアアップにつなげられます。
企業も業界も栄枯盛衰、10年後、いや、来年どうなっているかもわかりません。それほど時代は急変しています。
会社に何かあっても生き抜けるスキルをどうつけるか。
親としてはそんな視点を伝えることで、
自分に合う仕事を探す過程が人生と、
気持ちを前向きに切り替えることができます。
その試行錯誤や気づきを、素晴らしいよ!と応援していれば、再び前を向いて頑張る力がわいてきます。
会社名のブランドではなく、ご縁があったところには意味があると伝えましょう。人生は始まったばかりですから。
まとめ

つらい職場いじめの経験も、どんな仕事の経験も、結局は財産になり、これは誰にも奪えません。
この会社ではこれだけのスキルが身に付いた、
あの会社では飲み会や接待で、目上の人との話し方や処世術が身に付いたなど、
娘はたくさんの経験を積むことができました。今は海外で日本の技術を売る海外営業をしていますが、いきなりこの仕事はできなかったはずです。
今までの試練や苦労、処世術を得たからこそ、今、全てが生きています。
また、あれがあったからこそ、今頑張れる、という精神的な強みにもなっています。
初めから何不自由のない職場だったら今の有難みがわかりません。
たとえ就活を一度失敗しても、自分に合った仕事を探していけばいいので人生終了では決してないと、親がどんと構えて伝えれば子どもも安心します。
これからの人生を明るくとらえられるよう、サポートしていきましょう。
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