1-1. 不登校の主な原因
不登校の原因は多岐にわたりますが、主に以下のような要因が挙げられます:
- 学校での人間関係の問題(いじめ、友人関係のトラブル)
- 学業への不安やプレッシャー
- 家庭内の問題(親子関係の不和、過干渉)
- 身体的・精神的な健康問題など
これらの要因が複雑に絡み合い、子どもが学校に行けなくなるケースが多いです。
1-2. 親の関わり方の影響
親の関わり方は、子どもの不登校に大きな影響を与えることがあります。
- 過干渉や過保護:子どもの自主性を奪い、自己肯定感を低下させる可能性があります。この要因は非常に大きく、常に先回りや心配をすることで、子どもの力を信じていないというメッセージになってしまいます。
- 過度な期待やプレッシャー:子どもにストレスを与え、学校への不安を増大させることがあります。期待は裏を返せば責めとなり、私たち親は、知らず知らずに期待から日々責めの言動をとっている可能性があります。子どもは反論できないので、積み重なった親の言葉から、ある日突然行動が止まります。
- 無関心や放任:子どもが孤立感を感じ、学校に行く意欲を失う原因となることがあります。親は愛情をもっていると思っていても、言葉で伝えていなければ、伝わっていない、孤立感を深めていることが多いです。愛情は日々いろんな形で伝えていく。実はこれが非常に大きなポイントです。
2 親の過干渉が子どもに与える影響
2-1. 過干渉とは
過干渉とは、親が子どもの行動や選択に過度に介入し、自由を制限することを指します。
例えば、子どもの意見を尊重せずに進路を決めたり、日常の些細なことまで指示するなどです。
2-2. 過干渉の影響
過干渉は、子どもの自己肯定感や自立心を損なう原因となります。
- 自己決定能力の低下:自分で考え、行動する力が育ちにくくなります。
- ストレスの増加:常に親の期待に応えようとすることで、精神的な負担が増します。
- 反発や無気力:親の干渉に対する反発から、無気力や反抗的な態度が生じることがあります。
過干渉の代わりにできることは、日常の小さいことをなるべく子どもの判断に任せていきます。小さな気づきや判断は、やがて大きな挑戦へとつながります。つい言葉が先にでていないか、口癖として「大丈夫?」と言っていないか、話をさえぎっていないか、意外と親としての日常の振り返りだけでも、状況は大きく変わっていきます。
3 親の期待とプレッシャーが子どもに与える影響
3-1. 過度な期待のリスク
親が子どもに対して過度な期待を抱くと、子どもはその期待に応えようと無理をすることがあります。これが続くと、子どもはプレッシャーを感じ、精神的な負担が増大します。
3-2. プレッシャーの影響
親からのプレッシャーは、子どもの心身にさまざまな影響を及ぼします。
- 不安や緊張の増加:常に親の期待に応えようとすることで、心の余裕がなくなります。
- 自己評価の低下:期待に応えられないと、自分を否定的に捉えるようになります。
- 逃避行動:プレッシャーから逃れるために、不登校になることがあります。
4. 親ができる適切な関わり方
4-1. 期待から責めになっていないか
たとえば学校の成績、受験先、学歴、就職先と親の期待と心配は尽きることがありません。不安や責めからは、いい結果が出ないと今自分の子育てを振り返ってつくづく思います。私たち親は子育ては初めてなので、期待のあまり心配と責めになってしまうのは仕方のないことだと思います。ただ、そのままでは子ども本来の力は出ません。
それよりも、子どもの気づきに大きく相づちをうつこと、日々見える力や変化を探して伝えているだけで、子どもは大きく伸びていきます。先の心配よりも、子どもの今を喜ぶ。簡単なようで難しいことですが、このように親が視点を変えるだけで子どもは変わります。あとは子どもが伸びていく姿をワクワク見守りましょう。
4-2子どもの話を傾聴する
子どもの気持ちや考えを理解するためには、まず話をよく聞くことが大切です。
これは簡単なようで非常に難しいことです。聴くということは、子どもを信じ、何か子どもの気づきはないか、どんな変化があるか、楽しみながら聴くという姿勢が大切だからです。子どもは自分にはない世界を見せてくれる、小さな気づきは成長として楽しむことが大きなポイントです。
反抗期であっても、親の楽しく聴く姿勢があれば、親の気持ちがいつか子どもの心に届き、心を開く時がきます。
4-2. 自立を促すサポート
子どもが自分で考え、行動する力を育てるためには、親が適度なサポートをすることが必要と言われますが、特に思春期以降は親の先回りは極力避けたほうが、子どもは伸びていきます。
子どもに自信を入れる言葉がけを続けていくと、子ども自ら検索したり、友達に聞いたり、人に疑問点を聞きに行くなど行動が始まります。その一歩が見えたら、すかさずその力をほめます。自立への大きな大きな一歩です。そのような一歩や試行錯誤こそが次のステージにつながります。決してそれを当たり前として素通りさせないことです。
調べた過程での気づきに大きく相づちをうっていれば子どもは勇気がでて、また次を調べ始めます。その繰り返しの道中を楽しみましょう。すぐに勉強ができなくても全く問題はありません。学校の勉強よりも、まずは日常の一歩を大切にしていくと、生きる力となっていきます。
5. 不登校の子どもへの接し方のポイント
5-1. 焦らず、子どものペースを尊重する
不登校の子どもには焦らず、子どものペースを尊重することが重要です。
無理に学校に行かせようとせず、勉強を心配するよりも、上記のステップを踏んで自信と信頼関係を増やすことに注力します。ゲームのやりたい放題よりも、子どもが興味をもつことを一緒に話し合えれば最高ですね。頭と手を動かすことが、回復への一歩になります。
不登校の時は、頭が疲れていたり、思考が止まっていることが多いです。興味のあること、手を動かすモノ作りなどで、集中力や自信を増やし、リハビリをしていきます。それが生きる突破口になっていきます。好きなことに取り組む過程で、気づきをほめることができますし、習い事への意欲にもつながるかもしれません。
リアルで会う習い事でも、オンラインでも、準備したり質問することを力として伝えていくことができます。勉強が何年か遅れていても、生きる力が出てこれば、後で後れをひっくり返せます。
大丈夫、急がば回れ。「遠まわりと思ったけど、近道だった。」高校時代のひきこもりを克服して今は営業で飛び回っている娘のセリフです。