思春期・反抗期のかかわり方【親子関係をよくする会話術】

思春期の反抗期を乗り切るには? 子育ては初めての連続。ハウツー本をいくら読んでも、いきなり反抗期に突入したら、どう対応したらいいのか。思春期は子供への対応に悩むことが増えますね。

思春期に入ったら、心得ておくとうまくいくコツがあります。コツを頭にいれて会話すると、子供のやる気を大きく引き出し、想像以上の成長につながります。子供への見方を変える。それは私達親の世界をも変えていきます。

目次

聴く 共感する

アドバイスを求めてない。ただ聴いてほしいだけ

セミナーをした時に、お客様が言っていたお悩みです。

子供の話を聞いていると、ついアドバイスをしてしまう。子供に、「お母さんと話をすると、アドバイスをされる。ただ聴いてほしいだけなのに。」と言われてしまいます。自分の価値観をつい言ってしまいますが、どうしたらいいでしょうか?

わかります。子育てをしていれば、みんな通る道ではないでしょうか。

期待から、経験から、価値観から。親の方が長く生きている経験を伝えるべき。誰でも、これが真っ先に頭にうかびがちです。そこをぐっとこらえる。まず聴いてみる。「そうなんだ!いい視点だね!大変だったね。よく頑張ったね!」

まだ起こってもない先を言うのではなく、やれていないことを言うのではなく、まず心から「聴いて」みましょう。得られることが大きく増えるはずです。このお悩みへのコツをご紹介します。

子供の話を楽しむ

子供への姿勢、心構え一つで私達親の聴き方、表情、声が変わります。それは子供に良くも悪くも大きく伝わります。できていないこと、アドバイスをしようと聴いていれば批判的な気持ちが子供に伝わってしまいますが、何か笑えることってない?共感できることは?と聴いていれば、伝わる態度は正反対となります。

子供は楽しそうに見えても、学校でたくさんのストレスをかかえています。成績、友達、先生。子供の成績は親として気になりますが、それよりもまず、子供の愚痴、楽しかったこと、ちょっとした自慢話など、何か口を開いた時に一瞬手をとめ、耳を傾けてみましょう。愚痴にせよ自慢話にせよ、子供の話は自分が経験できない、新しい世界です。何か面白いネタにならないか、笑えるポイントはないか、そんな視点で聴くと子供の話は本当に楽しいものです。一緒に笑う、一緒に怒る。辛かったこと、楽しかったこと。一緒に笑い飛ばしてくれたら、子供も心が落ち着きます。

あいづちをうつ

愚痴でも自慢話でも、よく聴いてるよ!というあいづちを強くうつと、子供は話が止まらなくなることがあります。誰だって大きくうなづいてくれる相手にはしゃべりたくなるものです。反対に、無表情、無反応、さえぎって説教などは信頼関係をこわします。気の利いた言葉が見つからなければ、まずは本当に楽しそうにあいづちをうつ、愚痴には「そりゃ大変だね!」と一緒に怒るなど、あいづち一つで、あなたの味方だよ!ということを示すことができます。

勉強しない、やる気がでない、ということに親はついつい目をむけがちですが、「聴いてくれる人がいる。親は味方でいてくれる」という安心感は心の土台につながり、勉強や他の活動など、やる気が大いにでてきます。やれないことを心配するよりも、聴く姿勢一つで、状況ががらりと変わります。できていないことを心配するより、あいづち一つで子供が意欲的になる。意外と盲点のコツです。

我家のストーリー

夫の振り見て我が振り直せ

自分が夫にされて嫌なことを子供にしない、そう決めてることがあります。「あのね、こんなことがあってね!」。夫に喜んで話している時に、「これには気を付けて」「それって大丈夫?」「それはいいけど、あれやった?」私の話へのあいづちは一切無しに、夫の先回りだけの反応にはすっかりげんなりして、「もういい、話すのやめた!」。こんなことがよくあります。夫の先回り、心配性を見るたびに疲れ果てますが、いくら先回りはやめてくれと言っても口癖というのは変わらないのだ、本人に変わろうとする意識がなければ難しいのだと思い知りました。でも最近は「ネタが増えた!」そう思うようにしています。

子供の【今】を共有すること、できたことを喜ぶこと、先を心配しないこと。自分がやられて嫌なことをしないこと子供のやる気を引き出す、意外な盲点です。

話をさえぎる母の聴き方

私が独身時代。夕食の食卓で、私はしょっちゅう母と喧嘩をしていました。父はたいてい遅く帰るので、母と二人の夕食。黙って食べるのも悪いと気を利かせて、今日起こった話をしゃべっていると、きまって母はさえぎってくるのです。

「あんたね、そうはいっても、、」と始まります。冒頭部分が必ず、「あんたね、、、、」これです。名前で呼びません。「そうはいっても」というのは、聞くどころか、否定感、満載の姿勢ですよね。今日の私に起こった話を、ただ一緒に笑ってくれたら楽しいはずが、途中でさえぎり、ほめるどころか否定して、攻撃までしてくる。

だから毎回、大げんかになってしまうのです。私はそんな関係が嫌でたまらず、子どもを産んだら、自分の代で嫌な流れは断ち切ろう。。。そう、心に決めていました。母は怒り始めると止まらず、喧嘩がヒートアップすると、「早く独立して出ていきなさいよ、私はそれで自分の時間をもてる」と決まって捨て台詞を吐き、私は悔しく悲しい思いばかりでした。この流れが分かっていて、よせばいいのに私は毎晩、今日起こった話をしてしまい、喧嘩を繰り返すのでした。

世代間連鎖の悲劇

母がなぜそんな聴き方をしていたのか。それは母が、母の父から、もっとひどい否定の言葉、罵声を食事の時に常に浴びていたからなのです。母は結婚して実家を離れて数十年たってもなお、自分の父親への恨みをまるで昨日のことのように毎晩繰り返していました。

世代間連鎖は繰り返す。聴き方一つでこれほど恨みが連鎖してしまう。自分の代で負の連鎖は断ち切ろう、そう決めていたのに、我家の子どもの引きこもりに直面して言葉かけを学んだら、自分はまだまだ甘かった。母からの頭ごなしの悪い流れを、完全には断ち切れてはいなかった。そうつくづく、痛感したのです。

聴く力。これは非常に奥深く、親子関係を改善し、信頼関係を築く大きなスキルです。また、これ一つで子供の力を引き出し、心の土台を作り、やる気をひき出すこともできるのです。

ぜひお子様と、楽しい食卓の時間をお過ごしください。聴き方一つで世界が変わり始めます。

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