大学受験。将来の進路につながる大きな転機です。受験には試練がつきものです。順調に行かない時、思うように勉強がはかどらない時。もう全てをやめたいと言ってきた時。親としてどう向き合えばいいのか、正解はありません。お子さんの性格や状況、人生はみんな違うからです。
ただ子育て中、ここはゆずれない、という親としての厳しさ、覚悟を伝える転機があります。その転機の時に、どう伝えたらいいのか。判断に迷うところですが、日頃子供に応援する姿勢が伝わっていれば、いざという時の親の厳しさを分かってくれる時がきっとくるはずです。
子供が「全てやめたいと弱音をはいた時」
天王山の夏休み、そしてこれから秋を迎え、受験シーズンが始まります。風邪をひかないか、体調はどうか、力を発揮できるかしら。。。。親子ともども、ハラハラドキドキ、とっても大変な時期ですよね。
時には試験前に弱気になる。敵前逃亡みたいに、逃げたくなることもある。そんな時、どんな言葉をかけたらいいのでしょうか?
息子は高校時代、原因不明の体調不良のため勉強が思うように進まず、3年生の夏休みには、本を一ページも開けず、ひたすら寝ていること、または力が入らない頭を動かすため、ひたすら歩く日々でした。
受験天王山の夏休み中、一ページも開けず秋になり、
冬になり、
状態は変わらず、机に向かいたくても頭が動かない状況は変わりませんでした。
負けると分かっていても可能性に賭ける時がある
自分に、人生に絶望したのか、いよいよ大学の試験直前となり、「試験はやめる。全てをやめたい」そう、息子が苦悩の表情で言ってきました。性格から考えて、ただ逃げたいと言っているわけではない。体を良くする努力を必死でしてきたことを親として十分わかっています。状況からして、誰だって絶望感から逃げたくもなるでしょう。
ただ、もしここで逃げて、他に人生の選択肢があるのか。もちろん進学だけが全てではない。でも、息子の性格、将来への希望、今までの人生でやってきたことの仕上げとして、ここで逃げたら一生悔いが残らないか。そう瞬時で思いました。
やるだけやってみる、負けがほぼ決まっていても逃げずに挑戦したことで、これからの人生に、得られるものがきっとある。私は厳しめに、今までの息子がやってきたこと、持っている力を、自分の力を総動員して必死で伝えました。鬼の形相だったことでしょう。息子の将来にとって、今が岐路となる。
人生の岐路の時、逃げずにどう取り組んだのか
結果うんぬんよりも、やるだけやった。それが必要な時があるんじゃないか。そう渾身の力で伝えました。息子は黙って、なんとか気を取り直したようでした。息子の心情を想像すると、本当に苦しい選択でした。ただヒステリックに怒るのではない。息子の今までの頑張りを伝えることが肝でした。試験前日の夜、それでも力が出ない。呆然とした表情から、やはり可能性はゼロなのか。辛い、辛い時間でした。こちらもただ祈ることしかできませんでした。続く