ある日突然不登校、ひきこもりになる。想定外の出来事に、自分の子育ての何が悪かったのか。そんな自問自答でパニックになった時、親として何ができるのでしょうか?
高校時代、対人恐怖症でひきこもりになった娘の克服を通して、【ひきこもりへの親の向き合い方】をお伝えしていきます。
ひきこもりのきっかけ
不登校、ひきこもり。今まで元気に意欲に燃えて頑張っていた子供。子供の未来を信じて頑張ってきた子育て。それがある日を境にいきなり学校へ行けなくなる。そんなことがあるとは夢にも思わなかった。当時の私はそんな心境でした。
原因ははっきりしている場合も、分からない場合もあります。友達、先生とのトラブル。成績不振。社会人ならば、職場のいじめ。またはこれといった原因が思い当たらない場合もあります。どうしてもきっかけ、原因を探してしまいがちですが、引き金を追求したり、それに対処する方法を考えるよりも、根っこの問題に取り組むことが大切です。
不登校・ひきこもり克服 親ができること
自信を入れること
解決策を求めて必死に探し回り、たどりついたのは、専門家の先生が提唱していた「自信を入れる」ことでした。自信。これは盲点でした。車もガソリンというエネルギーがないと動けないように、私達人間も、あらゆる活動にはエネルギーが必要です。そのエネルギーが、何らかの原因で減り続け、ある日何かの引き金で、行動が止まります。
自信というエネルギーがない状態で、無理やり学校へ行かせる、なんで行けないの?と詰問するなどは、解決策ではありません。また、行動ができない時は思考も完全に止まっています。その時に、子供に今どう考えているのか、どうすれば行けるようになるのか、などワークも機能しません。「自信」というキーワードに出会う前に、娘が専門家と対話したワークが機能しなかったのは、そのためでした。
親の声かけで自信を一滴一滴入れていく
ただ見守るだけでは、エネルギーは増えません。動くエネルギーが必要なのは車も、私達人間も同じ。未来を信じていた子供が動けなくなり、絶望感に陥っていても、私達親にはできることがあります。それは「言葉という武器」。無理やり動かすのではなく、共感、子供の良さ、力を伝えること。今までやってきたこと、できたことを伝えること。
子供は動けない、何もできない自分を自分で責めています。心は乾ききった砂漠、からからに乾いた状態なのです。ついついその状況を見て、ヒステリックになんで動けないのかと詰問してしまいがちですが、状況はより悪化していきます。代わりに、良さ、力、この子にどんな言葉が響くだろうか。この子の本当の良さを知っているのは私だけ。必死で伝えていこう。そんな親の覚悟と土壇場の勇気が、子供の一大事を救っていきます。
不登校・ひきこもり克服への過程
1共感・聴く力
まずはアドバイス、責めとなる質問ではなく、ただ共感、聴きましょう。たとえ子供がしゃべらなくても、共感、聴こう、と決めた姿勢でいるだけで、心が伝わります。好きなお菓子やお茶をそっと出すだけでも心がほっとすることでしょう。ゲームは心のよりどころになるというよりも、思考が止まっているためやれることがなくなり没頭、昼夜逆転という展開にもなります。ゲーム依存症は危険です。
そんな問題を起こしたあなたが悪い、などという言葉は余計に子供を追い詰めます。何があっても私はあなたの味方だよ、という姿勢に徹しましょう。親の共感、聴く力は土壇場で大きな力を発揮します。大変な状況でも心を冷静に、試練を乗り越えた先には、一回りも二回りも大きくなっているお子様を思い描いて共感、聴くに徹しましょう。
2子供の良さ、力を伝える
普段の変わらない日常を送っていると、子供の良さを常に探し、伝えようという意識にはなかなかなりません。でも、目に見える学校の成績、習い事の表彰などではなく、普段の頑張り、性格の良さ、工夫していること、成長の変化など、良さや力は山ほどあるはずです。
不登校、引きこもりという異例の事態になって初めて、私は自分の言動、子供との向き合い方を振り返りました。事の重大さは、直面して初めて分かることがたくさんあります。そして娘の良さを探し、伝えること、聴くことを意識して始めました。親としての姿勢は、軸を意識して子供に向き合えば、子供にかける言葉はがらりと変わり始めます。
自分にはこんな力がある。ささいなことでも、そんな言葉の積み重ねは、一滴一滴水が入っていくようにエネルギーがたまり、それはやがて一歩の行動へとつながっていきます。
3一歩の行動・直感が始まる
一歩の行動までにかかる時間は、子供によってまちまちです。受けた心のダメージの程度、元々の気質、自信の減り具合、親がかける言葉の質と量によっても変わってきます。ただ一つ忘れてはいけない大切なことがあります。誰でも輝きたい、活躍したいという願い、使命をもって生まれてきているということです。昼夜逆転してゲーム三昧を喜んでしているように見えて、本当は他にやれることが考えつかず、ゲームに依存しているケースもとても多いのです。
どんなお子さんも、強みがあり、生まれてきた理由、使命があります。それは親が決めた価値観やレールに沿ったものではなく、生き生きと使命を探しながら輝いていく人生があるはずです。親ができる言葉かけ、親しかできないその子の良さを伝えることで、一歩の行動、直感が始まり、それは次のチャンスを生みます。
4 親御さんへ自信を入れる
想定外の出来事に直面すると、私達親自身に自信がなくなり、言葉かけに躊躇したり遠慮がちにもなります。そのため私のカウンセリングでは、親御様、お母様に自信を入れていきます。私達親が自信をもつことで、お子さんと向き合う覚悟と勇気が生まれてくるからです。普段気づかないお子さんの良さ、変化をお話を伺いながら、すかさずその意味をお伝えしていきます。そしてどんな言葉が響くのか、親御様との対話を通して親御様ご自身が気づきを得て、お子さんに伝える言葉が磨かれていきます。
まとめ
度重なる試練、逆境を乗り越え、将来を切り拓こうと努力し始めた我家の子供達、私のカウンセリングを通してひきこもりから自分の夢に向かって行動を始めたお子さん方。皆共通なのは、誰でも輝きたい、そんな魂の叫びでした。誰でも輝きたい、輝けるはず。お子様の未来を信じること。そこから全てが動き始めます。できることは全てやったうえで見守る。応援する。そんな親の姿勢が、逆境をのりこえ、以前よりずっとたくましく生きる子供の力を引き出していきます。。ぜひお気軽にご相談ください。輝く未来は、ほんの一歩踏み出す勇気から始まります。