【ひきこもり中に進路を見つける】旅行は将来のたねまき

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旅は子どもの強みを見つけるチャンス

子どもの引きこもり、不登校、燃え尽きた原因は様々です。ただ共通の原因は自信が減ったエネルギー不足。自信というエネルギー不足は身体症状にも表れます。自信の増やし方はいろいろありますが、その一つに一緒に旅に出るのもコミュニケーション作りにおススメです。旅では子どもの新しい良さを発見できます。

ひきこもりの娘の進路を探す旅

今から10年ほど前。娘は高校時代ひきこもりになっていました。毎日娘の良さを伝えることは続けていましたが、目はうつろ、だるさが抜けず、朝も起きにくい毎日でした。希望に燃えて転校した先で、クラス中の無視に遭い、繊細な娘にはトラウマが根強く残りました。

このような状況では進路も探せません。人が怖ければ将来に絶望するのも当然でしょう。先が見えない不安で私は毎日途方に暮れていました。このままではらちがあかない。そうだ、心機一転旅行に行ってみよう。そう、思いつきました。旅行は刺激もあり、ハプニングが人を強くしてくれます。娘の新たな良さを引き出し、進路を一緒に考えてみよう。ちょっと悲壮な気持ちとわずかな希望をもって娘を誘いました。

感性を磨く旅【オランダ・イギリスへの旅】

高校時代2年間、引きこもりとなっていた娘と二人旅です。長い引きこもりで、人への恐怖がまだ一杯の時でした。旅行ではふだんの生活にはない、沢山の刺激があります。知らない土地での歩き方、どこに行きたいかルートづくり、企画、準備、パッキング。知らない土地で見えてくるもの。。。。五感と持てる力のフル稼働となります。

旅は準備から始まります。娘はイギリスへ行くと聞き、少しの希望を持ち始めて「こんな革鞄が欲しいな」とスケッチを始めました。イギリスの革製品のお店を調べておき、訪れるリストに加えました。また、娘は準備する力があります。先を見通してあれこれトランクに詰め始め、久しぶりの非日常を楽しみにしています。私は、ただの旅行に終わらせず、娘を観察し、娘の言葉に耳を傾けようと思いました。娘は夢や進路を自分で描けず暗い日々だったからです。

描いた通りの鞄に出会う

調べておいたイギリスの革製品屋さんに立ち寄ると、なんと、娘が想像していた理想の鞄がありました。丁寧に赤いタータンチェックの裏地が貼られ、光沢のある革でしっかり作られた手仕事のレベルの高さがわかる素敵な鞄でした。記念にその鞄を買い、娘は嬉しそうに満足気でした。感性が少しずつよみがえってきたところで、娘の良さもいろいろ見えてきます。

娘の力を見つける旅

・この子の得意なことはなに?

・どんなことにアンテナを張る?

旅を始めればいろんな力が見えてきます。地図を片手に知らない街を歩く力、トラブルが連続してもあわてず修正する力。また、娘はもともと観察力が高く、一緒に同じ景色を見ていても、私には目に入らないことを次々に発見していきます。イギリスからオランダへ飛ぶと、オランダの人達のファッションを見ては、気づきを次々に話し始めました。オランダの人達がまとう上質の革製品の靴、鞄、黒でシックにかためたファッションなど。ただバスに乗っていても、娘のアンテナは情報キャッチにグルグル回り始め、「あの人の靴はこんなデザインで、とても素敵」など、目に力が入り始めました。

娘はセンスのいいお店が並ぶ通りでは、俄然元気になりました。ヨーロッパならではの素敵なデザインの靴が並ぶ靴屋さん、上質な、あらゆるタイプの革製品がところせましと並ぶ鞄屋さんに入り、次々に手に取って確かめてみました。

質もデザインもいい靴を2足選び、購入を決めました。靴が素敵だと、洋服もはえます。私には全く分からない品物の良さを、娘は片っ端からしゃべっていきました。娘にはやはり、観察力と、メキキの力がある。モノを選ぶ力は、将来仕事に役に立つのではないか。そんなヒントがありました。

モノの良さをいかに広げたり、人に伝えていくか。マーケティングという分野もあるかも。そんな選択肢も一つあるね、と話しました。もちろん決めるのは本人ですが、少しでも選択肢や可能性が出てくると、娘も将来に希望を持ち始めます。

マーケティングという道

購入した靴のメーカーを調べ、どんな販売網をもっているか、世界展開をしているのか、一緒にウエブサイトを見てみたり、会話の糸口になりました。学校の点数には表れない、私にはない良さがきっとある。そう信じながら、持っている良さや気づきをほめたりあいづちをうって楽しく耳を傾けました。

旅行はセラピーになる

  • モノ選びで得た気づき
  • 街を観察した気づき
  • 非日常で見せるたくましさ、切り抜ける力

などには、子供の才能の芽がたくさんつまっています。まずは、じっと耳を傾け、なるほど!いい気づきだね!調べてみようか?などと楽しく会話を展開できると、親子でワクワクしてきます。ワクワク感と気づきがあれば、自分の生かし方にアンテナを張るようになっていきます。

旅で得たヒントが後に生きる

ワクワクする感性がよみがえってきた一方で、旅行中も「人との距離感が分からない」と泣き出すなど、終わりの見えないトラウマに絶望感しかありませんでした。それでも、今までに自信が積み重なっていたのか、「やっぱり大学へ行きたい。人にもう一度会いたい。」と帰国後に言い始め、人への恐怖を乗り越えて、大学進学を決めました。専攻はマーケティングです。

勇気を振り絞って入った大学では、ひきこもり中に自室で覚えたダンスや家族への料理、自学で覚えた韓国語を駆使して人の輪を広げていきました。その後日本へ帰国し、日本の大学でもマーケティング関連を学びました。その後、仕事でもマーケティングを希望しましたが、結局マーケティングを兼ねた営業に道を見出し、人をつなげてやりがいをもって頑張っています。

人生どうなるか分かりません。旅行も戦略的なセラピーです。自信が足りず、外にまだ出られない時は、言葉のシャワーをたくさんかけて、自信をためていく。そして外へ出られたら、旅行も大きなチャンスとして楽しみましょう。家では見えない子どもの良さが、旅先ではきっと見えてくるはずです。

光はもうすぐです

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