【不登校の親】かける言葉の選び方

今まで元気だった子供がある日突然不登校になった。親としては青天のへきれきで、甘えではないか、と無理して行かせるべきか、どんな言葉がけがいいのか悩みます。子どもの年齢に関わらず、向き合い方の軸をおさえれば言葉も自然に選べます。言葉がかけにくい時でもできる向かい合い方もご紹介します。

目次

不登校の子どもにかける適切な言葉とは


子どもの気持ちに寄り添う言葉を選ぶ

親は我が子が不登校になる前提をまず持っていないので、現実に直面して絶望的になるかもしれません。ただ、子ども自身が行けない自分に焦り、不安、罪悪感をかかえ、行けない自分にダメ出しを繰り返しています。行けない理由も言語化できないこともあります。行けない背景は複雑にからみあうからです。

行けないということは、自信というエネルギーを使い果たした状態なので、勉強どころではないでしょう。とりあえず「無理に学校に行かなくても大丈夫だよ」として、親としてできることから始めましょう。

話を聴く あいづちの威力

初めは親として取り乱すかもしれません。でも大切なのは、責めれば責めるほど状態は悪化します。それよりもなるべく早く気を取り直し、子どもの好きな食べ物などを並べ、聴いてあげることが大切です。親がしゃべるよりも、子どもが話す割合を圧倒的に多くすること。

かける言葉を探して子どもの話が上の空になるよりも、まずは聴くに徹するだけでも子供には大きな安心感となります。

過去の努力や挑戦を認める言葉がけ

結果いかんに関係なく、今まで頑張ってきたことを「よく頑張ってきたね」、とねぎらいましょう。「頑張ってね」ではなく「頑張ったね」と言われたかった、とSNSのコメント欄に、元不登校の子が書いていました。たった一字違いですが、子どもへの心理的負担は全く違うものなのでしょう。

親の期待が高かった、努力を認めてもらえなかった、または親がたとえハッパをかけなくても、意欲が高く、自分に負荷をかけて思う結果が得られなかった場合もあります。その頑張りが続かなくなり、ある日を境に燃え尽き症候群になることもあります。

結果というものは、どんなに頑張っても結果が出ないこともあれば、結果が早くでる場合もあり、努力と結果が比例するわけではありません。親は努力の過程を見ていますので、工夫する力、継続した力、仲間を思いやる力など、結果意外に見落としがちな子どもの頑張りを、良さとして力として伝えましょう。

頑張っている息子にかけるべきだった言葉

10年以上前。息子は中学受験に挫折した後、日本人が殆どいない環境で中学をスタートしました。勉強以外で稼げる方法は何かと思いつめていたのか、稼げるアスリートを目標に自分を追い込んで練習していました。しかし試合などでなかなか発揮できず、

私は「レギュラーにもなれないのになぜアスリートを目標にするのか」、「それならもっと頑張るべきだよね」、という姿勢で、試合の動きをあれこれ厳しく言っていました。子どもは小さい時はまだ口答えできません。

振り返れば自分の将来に自信がもてない状態で、むりやり自分を追い込み、知らぬうちに自信が急速に減っていたのでしょう。夏休みを前に息子は倒れました。申し訳ないことをしました。頑張っている姿をさらに追い込むのではなく、息子の気づき、継続する力、頑張ろうとしている姿勢、目標をたてている力など、褒める言葉はいくらでも言えたはずです。どこを見るかで言葉はがらりと変わります。

変わってしまった息子を前に、私は半狂乱になって理由や対処を探し、ようやく探し当てた言葉を学び直しました。自分が変わればいいと。長い夏休みに自室にひきこもった息子に、手紙を入れました。「生まれてきてくれてありがとう。」

自信を無くし、変わり果てていた息子は部屋から出ました。少しして、ぽつりと言いました。「お菓子を焼きたい」どん底を救えるのは親しかいません。そして表面的な言葉や、誘導する言葉ではなく、心の叫び、「生まれてきてくれて嬉しいよ」というメッセージは、親だからこそ響く言葉です。

感謝の気持ちを伝える

学校に行けない時に、ゲーム三昧など好き放題にさせるよりも、行けないならばなるべく家のことをまかせてみましょう。お手伝いをしてくれた時に、「手伝ってくれてありがとう」「助かったよ」といった感謝の言葉を伝えられます。人の役に立てた、という気持ちは自信になります。思春期の反応に一喜一憂せず、言葉として伝え続けることで、子どもは自分の存在価値を感じていきます。

不登校の子どもとのコミュニケーションの取り方を学びたい

日常の会話を大切にする

不登校の子どもとのコミュニケーションは、普段の些細な会話を大切にしましょう。​「おはよう」「おやすみ」といった挨拶や、ちょっとした変化、何もなくても、元から持っている良さを伝えましょう。お皿を運んでくれた、お風呂を洗ってくれた、できれば小さな家事も少しずつお願いして、その都度できたことに喜びましょう。

小さいことをしっかりやってくれる力を片っ端から伝え、存在を喜びましょう。思春期でうざいと言われても、LINEなどで伝えることもできます。

子どもの話を傾聴する姿勢を持つ

子どもが話をしてくれた際には、途中で遮らず、最後まで話を聞く姿勢が大きく自信を増やします。聴く、ということにはいろんな要素がつまっています。

【聴き方の前提】として​知っておきたいこと

・今までの頑張りを認めること

・今不登校になったからといって人生終わりではない

・進学の方法はいろいろあり、自信を入れることで前よりも強くなる

・むしろ子どもの強みをみつけ、明るい進路を考え直すチャンスであること

・自信を入れ直し、心の土台を築き直せば、子ども自ら道を切り拓いていけること

このようなことを念頭に、子どもの話を聴いてみてください。

思春期に試練続きでどん底だった我家の子供達は、今20代になり、挑戦へのステージに入りました。自分の道を探す思考錯誤、社会に出て職場のいじめに負けない心を持って、葛藤もありながら希望ももって歩み始めました。

心の土台を築き直した後だからこそ、悩みがあっても自分を信じて人生を歩んでいけるのだと分かりました。

聴き方一つで子どもは大きく伸びていきます。

3 不登校の子どもに対して避けるべき言葉や対応を知りたい


否定的な言葉や比較を避ける

「どうして学校に行けないの?」「他の子はちゃんと行っているのに」といった否定的な言葉や、他の子どもと比較するような言葉は避けましょう。​これらの言葉は、子どもを追い詰める原因となります。​

無理に登校を促さない

無理に学校に行くよう促すことは、子どもにとって大きなプレッシャーとなります。​「いつでも行けるようになったらでいいよ」といった、子どものペースを尊重する言葉をかけることが重要です。​


励ましの言葉も注意

「君の努力は必ず報われるよ」「失敗しても、それは成長のチャンスだよ」といった言葉が効く子もいるかもしれませんが、経験上、その子の頑張りを認める言葉、良さや力を具体的に伝える言葉の方が、自信につながります。

他にやりたいことがある積極的な不登校ならばいいのですが、人に会えない、教室に行けないなどという状態は、心に傷を負っており、自信が大きく無くなっています。

そんな時に、あなたにはこんな良さがある、と、具体的に、自分の良さを知ると自信が増えていきます。どんな小さなことでも力や良さとして伝えていくことが、心に自信の柱を立てていきます。

4 自分の感情を認識してケアをする


子どもの不登校に対して、親自身も不安やストレスを感じることがあります。​時には気分が休まるカフェやランチ、日帰り旅など日常を離れる工夫をしてみましょう。ヨガやマッサージなど、体のメンテも大切ですね。

もし可能であれば、子どもと一緒に場所を変えるのもおすすめです。近所は無理でも、少し遠征してカフェやランチ、ドライブなど。行きたい所を調べてもらうのもおすすめです。

不登校の時には頭が動きません。勉強に向かえなくても、興味のあることを調べる、考える、家族に提案するなどだけでも頭を動かす練習になります。

調べてくれたりアイデアを持ってきたときにはすかさず、力を伝えることもできます。勉強に向かう代わりに、検索したり家族と遊ぶ計画をしても罪悪感をもたないことです。積極的なリハビリなので、親子の時間を楽しみましょう。

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